デイサービスダブルピースの風間です。
実は、
今年の5月から7月末日まで静岡済生会看護専門学校で
地域在宅看護論の講義を担当しておりました。
3ヶ月間、週1回の学生への講義は、
段取りから試験の作成まで全部が
なぜ私がデイサービスを始めたのか?
を考えさせられる機会となりました。
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看護学生に伝えたい
パーソンセンタードケア①
結びつき
パーソンセンタードケアは、
1980年代イギリスの心理学者であるトム・キットウッド氏により提唱された考え方です。
パーソンセンタードケアが目指すのは、パーソンフッドつまり「その人らしさを維持すること」です。
【その人らしさとは】
今はさまざまな場所で「その人らしさ」という言葉が叫ばれていますが、
その人らしさを維持することは、単にその人の生きてきた過程や歴史を尊重することにとどまりません。
例えば、「母は昔こうだったのだから、こうケアしてほしい」というのは、その人らしさを尊重しているようで、周りからのイメージを本人に押し付けてしまっている可能性もあります。
パーソンフッドが示す「その人らしさ」は、
「1人の人間として周囲にその姿を受け入れられること」と訳した方がイメージしやすいかもしれません。
【結びつきへの援助】
利用者様同士の結びつきを重要視しています。
ボールドラムや、五十音カードによる言葉づくりなどを通して、
他者と交流し認め合うことを促しています。
例えば、五十音カードによる言葉づくりでは、
無作為に選んだ一文字から、
記憶にアクセスして、連想する言葉を答えていく
脳トレゲームです。
(ダブルピースが考案しました)
実はこのゲームは、
脳トレだけに留まらず、
この場を共有する
他者との結びつき
を重視しています。
前の人が答えた言葉をヒントにしたり、
考えていた言葉を前の人に言われてしまうと、
急に頭が真っ白になったりと、
他者の関与が非常に重要になってきます。
慣れてくると、
答えに困っている人に、
そっと耳打ちして教えてあげるなどの
優しい一面が見えてきます。
こうなってくると、
一気に場の雰囲気は和み、
一体感、仲間意識が芽生えてきます。
時に、ユニークワードも飛び出し、
職員も利用者様も、時に進めている私も
お腹を抱えて大笑いしています。
【ダブルピースの結びつき】
ダブルピースは
手のかかる高齢者をお世話するところ
レスパイト(家族の休息)の役割を担うところ
ではなく、
高齢者が本来持っている
活力や優しさを取り戻すところです。
その基礎(石垣)があってこそ
自立支援(お城)が構築されると信じます。
その構築は、ひとりではできず、
職員だけでもできず、
利用者様同士があって初めて成立するのです。
高齢者が本来持っている
活力や優しさを取り戻すために、
人と人との繋ぎ役を担っています。