とある国家資格講座の教員のお仕事がありました。
万全の準備をして当日を迎えましたが、
受講生の持参したテキストは、私の担当のところではありませんでした。
主催側の伝達間違いでした。
まさかの
テキストなし
の状態で講義をしたのです。
万全の準備のおかげで、
無事に仕事を終えることができましたが、
これまで経験のなかった「テキストなし」が起きてしまったことは、
いくつもの背景が存在していました。
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【ハインリッヒの法則とは】
1件の重大事故の背後には、重大事故に至らなかった29件の軽微な事故が隠れており、さらにその背後には事故寸前だった300件の異常、いわゆるヒヤリハット(ヒヤリとしたりハッとしたりする危険な状態)が隠れているというもの。
「1:29:300の法則」とも呼ばれます。
その前提には
『不安全状態・不安全行動』
にあると言われています。
【不安全状態・不安定行動にはどんなものがあるか?】
これはほんの一例ですが、
<個人において>
・忘れ物が多い
・期日を守れないことが続く
・起床時間が遅い
・遅刻または時間ギリギリが多い
・間違いを多く指摘される
・業務の落ちが多い
・言葉遣いが雑
・意思決定が遅い
・メールや電話のレスポンスが遅い、またはしない
・時間にルーズ
などの状態。
<組織において>
・玄関に蜘蛛の巣
・トイレや水回りが汚い
・デスクの上が物で溢れている
・社員の身だしなみが乱れている
・仕事の物品がいつも不足している
・仕事の物品を探すのに時間がかかる
・接遇マナーがなされていない
・内外問わずコミュケーションが不足している
・内外問わずクレームや意見を軽視し、対策を先送りにしている
・意思決定が遅い
・時間にルーズ
などの状態。
個人においての例はほとんど私が経験したものですが(笑)同期の仲間たちや先輩方とのコミュニケーションによって随分助けられました。
一方、組織についての例は、ルール作りや業務改善、5S活動などの施策が必要になります。
こういった状態では、仕事のモチベーションも上がらず、顧客や仕事の対象者の立場に立った視点は得られません。
【ヒヤリハットは共有することで組織的な施策に変換できる】
冒頭でお伝えした教員の仕事ですが、
主催側の人の一部に、電話のマナーを知らない方がいらっしゃいました。
電話をすれば、保留ボタンを押さず、私の名前を呼び捨てにしていることが丸聞こえだったり、
教えてほしいことがあって話していると、「ちょっ、ちょっ、ちょっと!」と言いながら人の話を遮ったり、
だいぶお忙しかったようです。
また、初めての現場でしたが、担当者が顔を見せないなど、気になる点をあげたらきりがありません。
電話のマナーを知っている人が、本人に教えてあげたり、互いに注意し合ったり、
「今日は初めての教員が来るね」などの職員同士の会話があったり、
伝達のダブルチェックができる風土があったり、など・・・
ヒヤリとしたことがあったら、みんなでコミュニケーションを図り、
共有していくことで、
効果的な施策につながります。
【自分(組織)にとっての重大事故とは?を考えておく】
今回、私は初めての現場で、多くの時間を準備に費やした仕事を、まさかの「テキストなし」の状態で実施しました。
しかし、万全の段取りによって講座をやりきることができました。
私にとっての重大事故は、
講座が中止や延期になること。
これは、お金を払って学んでいる受講者の『安心・安全』に大きく影響します。
この日は、「テキストがなくても学ぶことはできる」を皆さんにコミットし、ご協力を頂きました。
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個人レベル、組織レベルで避けるべき重大事故とは何か?を考えておくことが必要だと思いました。
そして、前提となる
不安全状態、不安全行動の改善を進めたいものです。
その改善策は、
風通しの良いコミュニケーション
にほかならないでしょう。
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