新卒者教育に携わっていた頃、
100以上もある新人看護師の到達項目を
教育の枠組みでまとめ
チェックリストを作成したことをよく覚えています。
言葉の一つ一つを大切に捉え、
どんな表現が妥当か?
夜遅くまでかかってメンバー6人で
作り上げたことは
貴重な経験でした。
ヴァージニアヘンダーソンの
『看護の基本となるもの』
では、患者の看護計画の基本や
留意点が述べられています。
その一つ一つを見るにつけ、
人への誠実な対応が伺われ、
育成する人への向き合い方にも
見えてきました。
【綿密な教育計画】
会社、組織には大なり小なり
行動規範
というものが存在すると思います。
また、
人事考課
というものも存在すると思います。
それらは、従業員の指針が記されているはずです。
そこから、
例えば、
新卒者、異動者、転職者
などを対象として、
組織に入って1年前後では
どんな役割を求められているのか?
を明確に提示している
教育計画
を作成することが必要だと考えます。
それは、本人たちが
自分のとるべき行動の基準がわかり、
何を努力したら良いかが
よくわかるからです。
病院では
クリニカルラダーが
人事考課の代わりにもなり、
キャリア形成の基準にもなっていると思います。
詳細の育成計画は
どんな組織にも必要だと思います。
ここでいう『綿密な育成計画』で勘違いしてほしくないのは、
会社の求める社員像ではないこと。
業務の手順ではないこと。
その育成される人の
到達している状態
が表現されていることが不可欠となります。
【貴重な備考欄】
ヘンダーソンは、
『効果的な看護ケアはある程度計画されたものである』
とした上で、
何としてでも彼の(患者)個別の欲求を考慮に入れる。
と述べています。
上でお話ししたチェックリスト。
当時のものを思い出してみると、
育成時の個別性に対しての
重要度が低かった気がします。
フォロワーの個別性は、
得意不得意
長所短所
性格
各自の学習レディネスなど
があり、
個別性を重視するならば、
チェックリストや育成計画の
備考欄やメモ欄が有効活用されていると
育成にあたるメンターや指導者だけでなく
周りにいる複数の人たちの理解も進むと考えられます。
組織一体となって育む環境が構築されていきます。
【フォロワーの助けになること】
育成にあたる時、
フォロワーにはどんな助けが必要か?
を考慮することが大切です。
すぐに私たちは
指導する
ことがはじめに来てしまいがちですが、
まず、
到達している理想的な状態に対して
事実はどうなっているか?
それはどんな意味合いなのか?
(何が足りていて何が足りないのか?)
これらを考察してはじめて、
どんな助けが必要か?
が導き出されると思うのです。
ということは、
すぐに手出しはできないはずなのです。
育成者として、導くのは
フォロワーそのものではなく、
育成者自らが何を助ければ良いのかを判断すること
ではないでしょうか?
何を助ければ良いかが判断でき、
適切に助ける行動を起こすことは、
まさに個別性へのアプローチとなります。
【まとめ】
綿密な育成計画に欠けてはいけないことは何か?
・会社の求める社員像でも業務の手順でもないフォロワーの到達した状態
・フォロワーの個別性の共有
・フォロワーの助けとなる育成者の『行動』
育成者の得意技として多く見られるのは
『フォロワーの性格診断士』笑
「あの人は、こういうタイプで、他とズレてる」
などと、よく耳にしますし、私も言ってました。
言っても良いと思います!!
ただし、助ける『行動』をしていれば!!