No.148 『古典からの示唆』育成者の成長3段階

ここ1週間、コーチングクラスの連投で、
体力的にも精神的にも
やっとやっとブログ更新しております。

ヴァージニアヘンダーソンの古典
『看護の基本となるもの』
は、二つの視点から書かれた名著です。

一つは患者に必要な看護とは何かの視点。
患者の持つ基本的欲求を
国や宗教、思想の違いを超越した表現で綴られています。
もう一つは、看護師育成の視点。

患者と看護師、二つの側面を
育成される人と、育成する人に置き換えて考えみると、
非常にコーチング的であると
私は痛感しています。


毎回、再度読み込んで得られた示唆を、
自分の言葉にしております。
自分に多少の負荷をかけることは、
自身の技術力、創造力の強化につながっていると
確信しているからです。


育成者としての成長にはどんな段階があるのか?



【情緒的段階】

ヘンダーソンは熟達した看護師に成長を遂げるプロセスにおいて、
情緒的に患者に関わる段階をまず挙げています。

特に、若い看護師(学生)を例に挙げて、
『彼女は自分の患者に対してもっぱら情緒的に反応することはできよう』
と述べています。

私も覚えがありますが、
純粋な気持ちで患者に向き合っていました。

使う言葉や態度に注意し、
相手を尊重し、
相手の感情に寄り添い、
相手の気持ちを十分理解しようと努めること。


それが若い頃は十分できていたと思います。
というか、それしかできなかった、
と言ったほうが正確かもしれません。

人材育成に携わる育成者の皆さんも、
人を育て始めた頃、
情緒的に相手に寄り添うことを懸命にしていたと思います。

さて、
現在はどうでしょうか?

色々な都合の良い理由をつけて、
育成することを放棄するようなことがあってはならないと思います。



【技術の段階】

次に、その若い看護師が
技術力を身につけていくプロセスにおいて、
ヘンダーソンは、
『彼女が技術を身につけていくにつれて、自分の学習した技術を使って患者を助けようとするようになる』

と述べています。

この『助けようとするようになる』
の表現はまるで、
自然にそのようになる
というように私には感じられます。

人材育成には
様々な研修やプログラムが世の中に溢れています。
その中で学んだことを実践して、
人の役に立とうとする反応は、
とても大切にしたい反応です。

会社や組織のため、
言うことを聞かせるために、
教育することは、
その時は良くても、
長続きしません。

フォロワーの成長について、
その人の役に立とう
と思える育成者でありたいものです。




【創造の段階】

そして最後に、基本的技術がある程度熟達した段階として
ヘンダーソンは、
『彼女は自分の情緒ならびに技術的反応をひとつの創造的なサービスの中で自由自在に活用できるのである。』

と述べています。


私も現役の頃は、
時間切迫で多重課題の時だからこそ、
「看護の質が問われる」と信じ、
自分の力を発揮してきたと自負しています。


人材育成の場面に
例外はないと考えます。

仕事において
どんなに複雑で緊急性の高い時でも、
情緒的でいられるか?
いかに基本に忠実に育成力を発揮するか?
複雑で緊急性の高い時だからこそ、
この育成者の創造力が発揮されると
思います。



【まとめ】

育成者としての段階は

情緒の段階
技術の段階
創造の段階



の3段階がありますが、
ひとつひとつ維持しようと努めることが
育成者の成長に繋がると思います。


新規講座の開講は白衣をイメージして、必ず白い服を着るようにしています。
今日はアシスタントのいない講座。そんな時は自分でカメラセッティングをします。