No.123 「人は変えられない」のに「人を成長させる」矛盾

人材育成の仕事のひとつとして、コーチングをお伝えしています。
静岡県のみならず、県外にも研修によく出向いております。
私が対象とする人々は人を育てる立場の方々。
その多くの方から
『部下のレベルが低い。スキルがない。いくら言っても直らない』
などという声が聞かれます。
しかし、人を変えようとしても
変えられないということは、
多くの方が承知しているんですよね・・・。


『人は変えられない』という説に対し、『人を成長させる』ミッションはどう立ち向かうのか?



【変化のプロセス】

人の変化はどんなプロセスなんだろう?
と調べてみると、
社会心理学、NLP、組織行動学、グループダイナミクス
などなど、様々なエビデンスが語られています。
久々に論文検索システムを使ってみましたが、
多くの大学でも研究されておりました。

人の変化について諸説ありますが、
私が行き着いたところは
こちらでした

(自分で編集し直した図です。転用していません)

自分の経験を振り返って考えると、
看護師になったばかりの21歳。
とにかく休まず病院に行って、
看護師として仕事をすることに必死でした。

つまり、私には
早く一人前の看護師として仕事をしたい。
という欲求があったのです。

3年経過して慣れた部署から人事異動。
新しい人間関係を構築し、
チームメンバーに入れてもらわないと、
仕事がしにくくなります。
私にとって異動は、
「安心安全の欲求」「所属と愛の欲求」
を同時に満たさなければなりませんでした。

つまり私は、
新しい部署のみんなに仲間に入れてもらって
安心して仕事がしたい

という欲求があったのです。

経験年数が上がるごとに
後輩や学生から尊敬されたいと思い、
先輩や上司から褒められるような
仕事以上の役割を遂行したいと思ってきました。

つまり私は
他者から認められたい
という欲求があったのです。


ちなみに異動は全部で9回にも渡りましたから
この「欠乏欲求」の各段階を行ったり来たりして、
自分の経験により、欲求レベルが変化し、
欲求レベルが満たされると

ステイタス
が変化してゆきました。



【欲求レベルが満たされていくとき】

ひとつひとつの段階をクリアするときには、
必ず、「人」が関与していました。

<Episode1>

手術室の先輩のひと言。
「かざまさんは、OP室でどんな看護がしたいですか?」


医師の介助をする仕事は、勉強すればするほど
手術の内容が理解でき、先回りして器具の準備や
薬の準備ができたので、
医師からは一目置かれる存在になっていきます。
看護師であることを忘れていて
調子に乗っていた

お年頃でした。

調子に乗って偉そうな話をする私に、当時の主任さんは、
看護師であることを思い出させてくれました。

その日をきっかけに、
ナイチンゲールやヘンダーソン
といった看護の哲学者の本を読み漁り、

『患者の生命の消耗を最小限にする』ための看護がしたい

という、生涯の指針となる言葉を見つけました。
その後、同じ仕事をしていても、

医師から褒められるため
から
患者さんの手術時間・麻酔時間を最小限にするため

という貢献感に変化しました。


<Episode2>

飲み会の席で、ある医師が私の同期の友人の話をしました。
患者さんへの指示を巡り、言い争いになったというのです。

医師は、言い争いについて、
「彼女は、治療の経過プロセス(プロトコール)の視点から物を言ったんじゃなくて、
 患者のリハビリ経過やライフスタイルなどの個別性の視点から物を言ったんだな。
 大したもんだと思ったよ。彼女はすごい看護師だな。かざまはどう思う?」

と、その時にあったことを
しみじみ私に語ってくれました。
仲良しだった友人だったので、
私は嬉しくなったと同時に、
私は、そんな考え方ができるだろうか?
と、「看護」という仕事の「本質」について、
深く考えるきっかけになりました。

私が参加していた頃の飲み会は、
いつもこのような話が展開されていたような気がします。
良い先輩たち、仲間たちに恵まれたと、
思い出すと幸せな気持ちになります。
(飲みニケーションについては後日、ブログで綴ります)



【人は変わる!成長する!】

マズローの欲求5段階説は、
自己実現に向かう段階を示しています。

自己実現への変化を促進させるのが、
私たち、人を育てる者のミッションです。

私は自分の経験を通して、
人は変わるし、成長もすることができる
と確認できました。



『人は変えられない』という説に対し、『人を成長させる』ミッションはどう立ち向かうのか?

人は変えられないが、自分で変わっていくもの。
人の成長は、答えを与える前に、答えを求める
問いかけが大切。

重要で緊急な「第一領域」は除き、
どこまで問いかけ続けているか?
フォロワーを理解しているか?
もう一度自分に「問いかけて」いきたいものです




今日は眼科定期受診。深刻な状態から、現在は非常に落ち着いていると、先生も太鼓判!
でも、3月末で異動されるとお聞きして、非常にショックを受けました。
なので、もう一度3月に予約を入れて頂きました(笑)眼科受診後に必要な度付きサングラス。必需品です。